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原 点 回 帰

正しい事を正しく行う事はどんな産業でも求められる事です。しかしながら結局は人間が作業している以上、ヒューマンエラーが発生する事は、食品以外の産業でも見受けられます。

そこをどう防いでいくか。今のマクドナルドの優先順位のトップにある事です。しかしながら現場には「少ない人数で如何に店舗運営をするか」が求められています。企業として利益追求は至上命題です、と言われ。

 果たしてそうでしょうか。正しいと言う字を分解すると「一度止まる」となります。しかし止まって考える余裕がない現状、利益追求せざるを得ない損益計算書構造がそれを加速させます。

昨年のチキンショックから半年弱。お客様の信頼回復に大切なこの時期に、今のままの経営戦略で良いのでしょうか。スピード、過剰な合理主義。昼のピークが終わると人数を絞る。

実際は、ピークが過ぎても客足は机上の計算通りになりません。遅めのランチのお客様、あえてピークを外して来られるお客様。そういったお客様を逃してしまいます。

レジが3台備わっていても、レジを開けるのは1台。お客様の列。走り回り一人何役もこなす。この状態で良いのでしょうか。結果としてサービスの低下、安全のチェック機能の低下を招き、頭がマヒを起こしてしまう。少ない人数で、会社に求められる目標を達成した、しないで一喜一憂させられる現状。

 過度な合理主義はなにも現場だけではなく、本社機能、サプライヤーの実態にも言える事です。お客様は「食の安全」を第一に、QSC&Vを最高の店舗体験とされるもので、今、全社一丸となって取り組むべき原点です。ここでいう原点とは、ビジネスの原点ではありません。お客様からお金を頂いて、良い商品を提供する「商売の原点」です。システムエンジニアの様では商売とは言えません。

システムには感情、とりわけ笑顔が奪われてしまいがちです。システムによって数値的達成度を測ることがなされれば、尚更数値至上主義になります。数字を追い求め、さらに新しいシステムが導入されます。

例えば自動発注システムがあります。

店舗作業の軽減を謳って導入されました。しかし現実は、お客様の流れ、ご注文の状況を、コミュニケーションを取りながら把握してゆき、発注に反映させる事が困難です。

さて、レイ A クロックが提唱した「三本の脚」実現できる環境でしょうか。

 新しいシステムが入れば入るほど、現場は複雑化していきます。クルースケジュールも自動化されてきています。まるで自動操縦の旅客機の様です。自動操縦の旅客機のシステムがいかに発達してもパイロットは必要です。コンピューターには思考能力、判断力が無いから、とっさの障害に対応できないと聞きました。今のマクドナルドにもそれが当てはまっている様に見えます。

 原点回帰・・・・これはお客様が必要とする人数で、マネージャーが率先垂範で笑顔で接客出来る環境を整え、食の安全チェック機能を120%有効化させる。CMや媒体で安全性を謳うより現場は会社の看板なのですから、お客様に最高の店舗体験をして頂く為には、労務費をはじめとした現場経営資源を投下する英断が、経営陣に求められます。

マクドナルドユニオン 中央執行委員長
岡田 篤